ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

ママは学校の先生だろうが、スポーツ選手だろうが、全部顔で判断するんだから。


でも、確かに、そうかもしれない。

黒い前髪が鋭く垂れる、まっすぐに伸びたキリッとした眉、憂いのある黒い瞳。

きっちり整った、端正な顔立ち。

ダークスーツに身を包んだ、すらりとした姿。

俳優さんだと言われても違和感がないかも。


(時代劇の装束が似合うかもね)


ついついあたしも余計なことを考える。



やがて並べられた食事をつつきながら、ママが切り出した。


「この子……今高2なんですけど、実は進路として美術系の大学を考えているんです。

黒川先生が、あの……」

「さん付けで結構ですよ」

「じゃあ失礼して、黒川さん。

あの……黒川さんが生徒さんをとられていると聞きまして。

お時間の空きがありましたらとぜひ、と思いまして」