ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

「そうだったんですか。何のお仕事されてたんですか?」

「あ、えー、そのときは舞台美術を……」

「まぁ、舞台美術なんて、ステキですねぇ、華やかで」

「いえ、そんなにいいものでもないんですけどね。

もう何年も前にやめてしまいましたし」


ママは上機嫌でペラペラしゃべってる。


「そうそう。

僕のことはご存知ないかと思いまして、何点か作品を持ってきたんですよ。

縮小ですけどね」


差し出されたのは、B4サイズのカラー数枚。


(わ……)


次々とめくって見て、あたしは思わず息を呑んだ。

このビジネスマン風のクールな容貌からは想像もつかない、暗い、独特の世界。


わざと歪ませたデッサンで描かれた歪んだ世界は、狂おしい感情が詰まって今にも爆発しそうに見えた。