ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

ママはうきうきとキッチンのカウンターの向こうに消えた。


(やっぱり言えないよね、こんなこと)


ママはあたしがママの期待通りの言動をとっている間は機嫌がいい。

そこを外れると、途端に機嫌が悪くなる。


機嫌が悪いママなんて見たくない。

面倒くさいし。


あたしは小さくため息をついた。


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「はじめまして、戸倉と申します。

ほんとに突然お呼び立てして申し訳ありません。

しかもこんな遅くに……平日は私がこの時間しか空かないものですから」

「いえいえ、お気になさらないでください」


夕ご飯どきのファミレスで席について。

ママがごちゃごちゃ挨拶している間、あたしはこっそり相手を見ていた。