ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

まだ桜には少し早いけど、いろんな木の新芽が吹いて、生き生きとして。

朝に少し降った雨の滴が、それぞれの葉についてキラキラきらめいて、まるで宝石をまき散らしたかのようだった。


そういえば、智弘さんが車で送り迎えしてくれるようになってから、この公園にはほとんど足を踏み入れていない。


(懐かしいな――

最初にここで、薫さんに会ったっけ)


特等席のベンチに腰掛けて、下手くそなギターをかき鳴らしていた薫さんに。

一緒に過ごした日は、時間は、本当に短かったけれど。

でも、ずっと昔から一緒にいるような気がしてた。


(薫さんにもらったものは、このスカートだけじゃなくて、本当にたくさんあったんだな)


あたしの心にいっぱい潤いをくれた。

胸にたくさんのきらめきをくれた。


――あなたに会えて、あたしはとても幸せだった。


(……そんな風に思える時が来るなんて)


会えなくなったことがあんなに辛くて、毎日泣いていたのに。

もっと一緒にいたかったって、ずっとそう思っていたのに。

あたしは自分にちょっと驚いた。