ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

(いきなり何言い出すの?)


智弘さんはあたしの反応に面白そうに微笑むと、ふと立ち上がって、大きな窓の方へ歩いていった。

窓の外をじっと眺めながら静かに言う。


「もう一度言うけどね。

僕と結婚してほしいって言ったのは、別に柚希の返事がほしかったわけじゃないから」

「……」

「僕はいつだって……どこにいても、君を愛してる。

柚希の幸せを、いつだって心から願ってる。

……そう伝えたかっただけだから」

「智弘さん……」


(……どこにいても?)


どこか寂しげな、胸を打つようなやさしい微笑み。


(どうしたの?)


「今日のところはもうお帰り」

「え?」


いきなりそんなことを言われて、あたしは目を丸くした。