ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

あたしは何だかおかしくなって、ぼろぼろ泣きながら微笑んでいた。


「そこまでさせて……

……ごめん……本当にごめん……」


髪をなでながら、途切れ途切れに押し出される声を、薫さんの胸に頭を預けたまま聞いていた。

ぎゅっと抱きしめられる腕が、ゆりかごのように心地良くて。

あたしは目を閉じて、ただ薫さんの体温を感じてた。



やがて、薫さんはそっと体を離すと、悩ましげに視線を落とす。


「柚希ちゃん……

オレのせいかな。

君の存在が癒しになるかもなんてオレが言ったから」

「ううん」


あたしは首を振った。


「これはあたしが自分の意志でやったことだから。

最終的に、こうするしかないって思ったの。

あの人の止まってしまった時をふたたび動かすには、こうするしかないって」

「……柚希ちゃん……」