ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

そうだとしたら……ちょっと病的かもしれないと思って。

柚希ちゃんに死んだ恋人の代わりをさせようとするかもしれない。

それがちょっと心配だった。

でも、そうじゃないなら……偶然なら……」


薫さんは、考え込むように言葉を切った。

薄いきれいな瞳を左右にめぐらす。


「いや、この際兄貴が連れてきたかどうかなんて関係ないかもしれないな。

偶然だったとしても、兄貴が君を秋月レイと重ねてしまえば同じことだ」


「……」


「もし、病的な方向にさえ行かなければ――

柚希ちゃんは、兄貴と同じ絵を描く人間だしさ。共通点も多い。

もしかしたら兄貴の折れてしまった心の癒しになるかもしれない、なんて、ちょっぴり思ってた。

きわどいところだと思うけどね。

病的な方向に転ぶぎりぎりのところかもしれない」


薫さんは、あたしを問いかけるようにじっと見つめた。


(薫さん……)