ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

変なヒッピーみたいな花粉症さんと、あたしの大好きな絵を描く憧れの絵描きさんと。


「え、ちょっと待って、じゃあどうしてあんな下手くそな絵描いてたの?」

「え、下手くそって?」


薫さんは目を丸くする。


「ほら、山・木・道 みたいなベタ塗りの風景画」

「ああ」


薫さんはにっこり笑う。


「あれか。ちょっとね、地域のイベントの◯☓クイズのネタいくつか出せって言われてさ。

どっちが本当の幼稚園児が描いた絵かっていうクイズ作ってた。

あんなのも、たまに描いてみると楽しいよ」

「……何それ」


何なのよ。紛らわしい。

あたしは思わず吹き出してしまった。


「って、頼んだ人はあなたがあの薫さんだって知ってて頼んでるの?」