ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

ちょっぴり変テコだと思ってた人が、まさかこんな――こんな――

思わぬことに頭が混乱する。



薫さんはその辺の紙をペラッと無造作に持ち上げた。


「ほら、これはレアだよ。来年のカレンダーの下絵。本邦未公開」

「あ! ちょっと、そんなの見せないでよ!

予約したんだから、楽しみにしときたいのに」

「あれ、予約してくれたんだ」


突然怒り出すあたしに、薫さんはうれしそうににっこり微笑んだ。


「そっか、柚希ちゃんがオレの絵好きでいてくれたとは、うれしいね」


今までは目しか見えなかったこの笑顔。

太陽のように見る人すべての心を温めてしまいそうな、少年のような明るい笑顔。

ついついあたしはつられて一緒に微笑んでた。



……ようやく最初の衝撃が過ぎると。

やっと、あたしの中で、花粉症さんと薫さんの存在がつながってきた。