ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

(こ、これは……)


「この絵……ねぇ、これって白波瀬薫さんの絵?」

「あ、知ってる?」


奥のほうから、くぐもった声がした。


「ちょっと、これ、げげ原画? 原画でしょ、これ」

「おかしいな、財布どこへやったっけ」


ぶつぶつ言いながら、何やらあちこちひっくり返すような音がする。


「ああ、そうそう。それ原画。

入って右の部屋にもまだあるよ。

良かったら見てていいよ。散らかってるけど」

「え、見たい!

んじゃ、お邪魔します」


(うそ! こんなところで原画が見られるなんて!)


思わぬ展開に、靴をもどかしく蹴飛ばすように脱ぐと、あたしは言われた右の部屋に駆け込んだ。


「あ……」