ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

やっと見つけたらしい鍵をガチャっと回す音とともに、のんびりとした声がした。


「そういや、名前も聞いてなかったね」


あたしは反射的に答えてた。


「ああ、あたし、アヤっていいます」

「アヤちゃんね。了解」


(……え?)


いま、あたし、アヤって言った?


(え、どうしてアヤなんて言ったんだろ)


「ち違います、あたし、戸倉柚希っていいます。柚希でいいです」

「……?」


あわてて言い直すあたしに、不思議そうに軽く眉を上げる。

そりゃ変だよね、自分の名前言い直すなんて。


(おかしいな、あたし一体どうしたんだろ……)