ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

なぜさっき、あんなに黒川さんを怖いと思ったのかも、よくわからなくなってきた。


(冷静に考えたら、怖がるほどでもなかったような)


前回アヤが、変に打ち解けちゃったのかもしれないし。

それで、「言い出したくせに」とか、「言わなかったとは言わせない」なんてことを言う雰囲気になっちゃったのかも。

モデルの絵が衝撃的すぎて、混乱しちゃったのかな……


「ちょっと家に帰ってお金取ってくるよ。

……いや、ここでじっと待っててもらうのも悪いかな。

悪いけど、玄関までついて来てくれる?

すぐそこだから」

「あ、はい」


楽しげな足取りで歩き出すこの人にあわててついて行く。


(この人が住んでるのは、きっと2階建ての、外に階段がついてる古いアパート)


いろんなものがごちゃごちゃと置いてある、足の踏み場もないような雑然として楽しそうな部屋。

そんなことを考えて一人微笑みながらとことこついて行くと。