ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

(花粉症さん……)


今日はベンチにうつ伏せに寝そべって、長い足をプラプラさせながら、タブレットらしきものを触ってた。


(いてくれてよかった……)


いつもと変わらないリラックスした姿に、ひどくほっとしてるあたしがいた。


(でも、こないだ、あたしこの人の胸を借りて泣いちゃったんだっけ……)


泣きながら、いろいろグチグチ話してしまったんだった。

最近、絵を描くことが全然楽しくなくなっていたこと。

賞や評価のことばかり考えて疲れていたこと。

上手い人にやたら嫉妬してあら探しをして、下手な人に優越感を抱いて……

素直にいい絵に感動できず、どんどん自分がイヤな人間になるのがつらかったこと。

そんなことを思い出して、急に恥ずかしくなる。


「そんなときは、無理に描かなくたっていいんだよ。何も絵を描くことだけが君じゃないんだから。

描きたいときに描けばいいよ」

そんな風に言ってくれたっけ。