ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

しかも、カバンも何もかも置いて飛び出してきちゃったし。

ケータイもお財布もないよ……


でも、飛び出しておいて今さら取りに戻れる?

あのヌードモデルの絵がちらついて、あたしは思わず首を振った。


(もう、黒川さんに顔合わせられない……)


ほんと、病院に行っておくべきだった。

もう、最悪。


(あたしったら……あんなことをしていたなんて……

ああもう……ほんとに、どうしよう。恥ずかしい)


穴があったら入りたいとはこのこと。

アヤはどうしてあんなことを……


――でも、すごい絵だった。


はぁ。

大きなため息をついて。

心が千々に乱れつつ、とぼとぼ歩いていると。

ふと見上げた前方に見慣れた姿があった。