ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

昔から、背が高かったこともあって、むしろ女の子にはよくモテてたっけ。

みんなから、宝塚の男役になれるってよく言われてた。


(柚希って、男子よりカッコイイよね!)


そんなことを言われると、とてもうれしかった。


--------


「姉ちゃん、なんか食うもんある?」


遊びから帰ってきた圭吾のくりくりした瞳が、キッチンをひょいっと覗きこんだ。


「ない。ママがまだ帰ってないし」

「えぇ〜」


情けない声を出して、眉をハの字にする。


「そんなぁ〜。

お腹すいたから何かちょうだいよぉ〜」