天神学園高等部の奇怪な面々29

「ここらでやめにしませんか?」

呟く拓斗。

彼は不良達をのしてやろうとも、謝罪を求めようともしていない。

虹華やレイニーボーイ、渉らの身の安全が確保できればそれでいいのだ。

それにスペシャルバカと違って、喧嘩を好む性格でもない。

不要な闘争は出来うる限り避けたいのだ。

だが。

「野郎っ!嘗めやがって!」

その拓斗の一言が、逆に不良達のプライドに傷をつけた。