8月もそろそろ終わる頃、さくらが目を覚ましたとさくらの両親から連絡があった。
学校にいたけど、それどころじゃなかった俺はすぐに病院へ向かった。
さくらの病室に入ると、さくらは外を眺めていた。

「さくら!」
「・・?優輝、病院では静かにね?」
「馬鹿、お前が心配でしょうがなかった俺にそれをいうか?」
「でも静かにね?」
「はいはい。さくら、何か欲しいものはあるか?」
「じゃあ・・二人で話がしたい。」

さくらの両親は笑って、「そうしなさい。」と言って病室を出て行った。

「いいのか?ご両親も、俺以上に心配だったはずなのに。」
「いいの。私は優輝がいればそれでいい!」
「わっ!ばか、傷に触るから安静にしろ!」
「やーだ!ずっと眠り姫だったんだもん!」

さくらの無邪気な笑顔は、この先ずっと見れるものだと思った。