俺は、自分の不注意でこうなったことを責めた。
さくらの家族がやってきて俺を怒るかと思った。
でも、そうでもなかった。
事情を聞かれて、俺は素直に説明して謝った。
俺がちゃんと送り届けると言えば、俺が先に出ていれば・・。
ごめんなさいでは済まされない。
でも、さくらの両親は俺を責めたりしなかった。

「大丈夫よ、さくらは強い子なの。きっと生きて帰ってきてくれるわ。」
「さくらのことは大丈夫だよ。君はさくらの彼氏かな?」
「はい・・。」
「だったら死ぬかもしれないとは思わないで欲しい。生きて帰ってこれると信じてあげてくれ。」

俺は、許されないことをしたはずなのに優しくされた。
その優しさに泣くべきは俺ではないはずなのに俺は泣いていて、そんなみっともない俺をさくらのお父さんは俺の頭を撫でてくれた。

「泣くことはない、さくらの無事を信じてくれ。」
「はい・・」

俺は、手術室の前でさくらの両親と一緒にさくらがでてくるのを待った。