優輝君は、あの子が好きなのかな?
そう思うと、胸が張り裂けそうだった。
泣きたい気持ちを抑えて尾行する。

すると、声が聞こえてきた。

「優輝・・・から・・・けんなしっ!」

遠くてよく聞こえないけど、優輝って名前で呼んでいる。
きっと彼女候補なのかもしれない。
耳を澄ましていると優輝君の声も聞こえてくる。

「だから・・・お前が・・・ように・・・だよ!」

喧嘩しているみたいだった。
なんでだろう?
私がついてきている事バレたのかな?
どうでもいい、だったら壊れちゃえばいい。
これで彼女候補だということも明白になった。
あの子は優輝君を「優輝」と呼んで優輝君はあの子を「お前」と呼ぶ。
浮気でしかない。
私は辛くなってそのまま家に帰った。
彼からのメールも電話もその日からでなくなった。
チャットもまったくINしなくなった。
私は引きこもる生活に戻ることより、優輝君が浮気していたことにため息をついた。