でも、日を重ねて会話を重ねるごとに彼に興味を持つようになった。
最終的には自分から会話まで持ちかけたりするようになっていた。
もちろん、そうなってしまった私には彼を友達から外すことはできない。

「れん君は水族館って好き?」
「ああ、楽しいよね。サンシャインとか狭いけど面白いよね。」
「わかるわかる!サンシャインはプラネタも面白いよねー」
「まじで?俺プラネタ行くと寝ちゃうんだよね」
「あはは、男の子はそうなのかな?」
「どうかな、女の子も寝る子は寝るかも。」
「やだなぁ、私は寝ないよー?」
「あはは、そうだね。寝なさそうだ(笑)」
「どう言う意味ー!?」

あはは、と彼はチャットに打ち込む。
会話をしてる私。
ううん、この子は私じゃない。
私であって私じゃない。
じゃあ、この子は誰だろう?
私が打ち込むとこの子は喋る。
だったら私じゃないの?
ううん、私はこんなにいい子じゃない。
私はこんなに積極的で可愛くなんかない。

「ねぇ、めいちゃんは好きな人いないの?」

突然、彼がそれを口にした。
私なんかに気がある人はいないよ。
私は外に出かけないから、人に好かれることなんかないし好きになることもないんだよ。

「残念ながら。でも、寂しくないし今のままでもいいんだぁ」

泣きたい。
辛い。
どうして?
今まで泣かずにいれたのに。