引きこもりと言ってもストレスくらいは抱える。
親の小言とか、外部からの連絡とか色々。

私の場合は、親の小言に当てはまるのか少し疑問だけど。

「毎日毎日外にさそうのやめてほしいよねーホント。ストレスの原因がそれよ。」

そう言いながら、パソコンの電源を入れた。
私のストレス解消の場は、ネット上にあった。
アバターチャットという仮想空間で自分の分身を動かして遊ぶものだけど、私は別にお話がしたいわけではない。

好きなように自分の時間を使えればそれでいいし、なによりも時間が潰せればそれでいい。

小さな分身は毎日私の思うままに動いてくれる。
誰かに話しかけられてもスルーしてれば問題はない。

「ネットでまで誰かに気を遣うなんて馬鹿みたい。」

ネットの私は私であって私ではない。
自分を美化することも実際の私よりも悪くさせることも可能なのだ。
私は実際、落ちるところまで落ちた人間だし、美化された人格、美化されたアバターでその世界に「謎」という名前で存在していた。