彼女の秘密は年齢のこととか、そういったことだった。

隠していたことは、それだけを言えば大したことではない。
現に俺もそうだから。
でも、それだけではないのだ。
彼女は、人と付き合うことに恐怖を抱いているというのだ。
それだけではない、現実世界になると男そのものが怖いものでしかないらしい。

「そのくらい、俺は気にしない。現実世界で俺が怖いなら振ってくれて大丈夫。
だけど、俺は謎ちゃんが思ってるような男ではないと思ってる。
それに・・」

俺は打ち明けそうになったその自分の指を止めた。
ここでいうべきか?
俺も年齢をごまかしていた。
彼女は実は俺と同じ18歳で、通信大学生。
だとしたら俺のを言っても言わなくても彼女が怒ることはないだろうと思った。
・・がその考えに俺は深いため息をついた。

そして、また書き続ける。

「それに、俺も隠してることあるから。」

そういうと、謎ちゃんは驚いたような顔文字を打ち込んできた。

「俺ね、本当は留年してるんだ。だから17歳じゃなくて18歳で実際は高校3年生だけど留年してるから高校4年生だね。」
「高校生で・・・?」
「うん・・。」

俺は、彼女に初めて留年のことを打ち明けたのだった。