翌日の夕方、チャットにINしてみると彼女は俺の部屋にきた。

「こんにちは、お返事をしに来ました。」
「こんにちは、どうぞ座ってください。」

彼女は、近場の椅子にアバターを座らせた。

「それで・・ですね。」
「はい。」
「現実に会うのはいいんです。・・でも、本当に会うのならば私はあなたに謝らなくちゃいけないんです。」
「なぜ?」
「私は、あなたに隠していることがあるんです。」
「秘密、ですか?」
「そうなりますね・・あ、でも実は男でした!とかじゃないですからね?」
「それはわかりますよ、でもどんな秘密なんですか?」

俺は、知らなければ先に進めないような気がした。
だからあえて聞いたのだ。

「それは・・」

彼女は、そう打ち込んだきり、何も書かなくなった。

「謎ちゃん?」
「あ・・はい!」
「言いたくないなら無理しないでいいよ」
「でも・・言わなきゃ先には進めないです・・。」

やっぱりそうか。
先に進めないほど彼女にとっては重大なことなのだろう。

「じゃあ、ゆっくりでいいよ自分のペースで聞かせてくれる?」
「わかりました・・。」

彼女は、俺にポツリポツリと秘密にしていたことを話しだしたのだった。