君の大好きが聞きたい


夜になって父さんと母さんが家に帰ってきた

急いでいつもの定位置に座る


「優ただいまー」

「お帰りーパパ、ママ」

優が父さん達に抱きつく中、私は壁とタンスの隙間で震えていた

優が父さん達に言いつけるかもしれないという不安から

「ママ今日の夜ご飯はなーに?」


「今日は優の大好きな唐揚げよ?」


「わーい」


夜ご飯がテーブルに並んでも私は呼ばれない


…今日も夜ご飯ないんだ

皆が美味しそうに食べているのをただ見つめているだけ

で今日は炊飯器の中のお米を少し食べたからいつもよりはまし

見てるとお腹がすいてきゃうから抱えた膝の中に顔をうずめて何も見えないようにした

「あら、優?あなたの“犬”がお腹をすかせているわよ?」

母さんが私を見て鼻で笑った

母さんは私を犬と言っている
理由は知らない


けど多分人間として認めてくれていないからだと思う

「ママ、大丈夫。お姉ちゃんお腹なんてすいてないよ?」

優の言葉に体がビクッとする

優は一度私の方を見てニヤリと笑うとまた母さんの方を見た



言われる!!


優を見た瞬間体の震えが止まらなくなった



「優、どういうこと?」