退院したのは翌日の事

真っ直ぐ家には帰らず母さんの車は知らない場所へと向かった

大きな1階建ての建物

庭は広く芝生が広がっている

「母さん…ここって…」

「昨日言ったでしょ」

じゃあ、ここって施設…?

「嫌だ母さん!施設なんか行かない」

「我が儘ばっか言ってんじゃないよ!」

母さんは思いっきり頭をひっぱたいた

けどそんなのどうでも良かった

私は母さんにぎゅっと抱きついていた

「どんなに私を嫌っても殴ってもいい。ご飯なんかいらない。お掃除だって頑張る。だけど、これだけは嫌。お願いだから私を捨てないで母さん」

自然と涙がこぼれる

「離れてよ!気持ち悪い!」

そう言い母さんは私を引き離した

「あんたを見てると前の男を思い出すの!あんたが前の男の血を受け継いでるって
だけで気持ち悪いのよ!」

…ぇ


「じゃあどうして…。どうして母さんは私を連れてきたの?前の父さんの所に置いてこなかったの?」

「あの人に負けたくなかったからよ!」

「…」

「どちみち前の父さんの所にいたって世話なんかしてもらえなかったんだからいいじゃない、あんたは所詮物なのよ!」

「…そ、んな」

母さんが前の父さんと別れた時に私を連れてきたのは少しでも母さんが私を思っていてくれたからだと思ってた

なのに勝ち負けのために…て…



「もう黙ってよ!」

そう言いまたビンタをされてしまった