「お前ー、これ以上女抱いて何する気だよー!」

急に聞こえた声の方を向くと、颯太(ソウタ)がいた。
こいつも、親友。‥‥たぶん。


春日よりも明るい茶髪に、金髪のメッシュを入れた髪。
かるくつり上がった目。
どー見ても喧嘩っぱやそうな見た目なのに、
俺に向かって涙目で叫んでいる。


「キャバ作んのか?日本を一夫多妻制にすんのか??」
「ちょっ‥‥落ち着けって、颯太」
「それとも何か!?世界征服かぁ――――!?!?」

そう言うと颯太は、ぽろぽろと涙を流し始めた。


「おい‥‥颯太?何があった?」

「彼女に‥‥フラれた」


はい?
はいはいはい?


「なんで?」
「『小さい』‥‥だってさぁ‥‥」


‥‥その後俺たちは、涙が出るまで笑った。