飛べない僕と羽ばたく君


私は何でも持っている
美しさも
お金も
知能も

でも
それって結局
他人が欲しいものだったんだ

誰かが欲しいものだけ
私は持っていた
周りを喜ばせるための玩具
それが、私


「夏休み、どこいこっか?」

「へ?」

「五人でどっか行こうよ
だって夏休みだもん!
どこでもいけるって」

「あー、いつめんね
そうだなー
海とか山とか都会とか?」

「都会かー
確かにここは東京にしては
田舎の方だからねー
私たち文明から
隔離されてるよね?」

「確かに」


この場所は平和だ
暴れる人間も少ないし
緑が多いから空気もきれいで
始めてきたときは
東京とは思えなかった

まぁ
刺激が少ないのは
私にはマイナスなんだけどね


「原宿とか行ってみたい
ほら
まだ行ったことないし」

「よし!決定!
じゃあ8月の第一週は
原宿探検ー」

「ん!
それで!」


原宿かぁ

どんな場所なんだろ
服とか売ってるのかな

お洒落なのかな
分かんないや