「わしは独身じゃからの」 最悪なパターンだ。二人そろって行くところがない。 「あんたには、親くらいはいるじゃろう」 「いるよ。全然かえってこないけど。それに、あの家はさっきの九条翔蘭が住んでる家だから」 「それじゃあんたは噂の、翔蘭様の弟さんか!」 「赤の他人なんだよ。さっき屋上から落ちてきたのも、翔蘭が指図したんだし」 おじいちゃんに親しみを抱いてしまったのか、複雑な家庭状況を一気に暴露してしまった。