「みっちゃーん!学校遅刻しちゃうから早くしてー」

うるさい…。

「みっちゃーん?」

うるさい…。

「あっ!あと15分しかない!みっちゃん急いで!」

…。

「うるさいっての!いちいちあたしを待たないで!先行ってよ!」

「そんな怒鳴らなくても…。先、行くね」

「はぁ」

私、相原美紅(アイハラミク)。
普通の学校に通ってる高校一年生。
毎朝、幼馴染の小林武斗(コバヤシタケト)に「みっちゃん」と言われながら
学校へ行く準備をしている。

昔は、よく一緒に遊んだし、私も武斗のことを「たっくん」とか言って
仲良くしてた。
けど、この歳になると、呼ぶだけで吐き気がする。
まぁ私は捻くれ女ってとこかな。

「…いってきます」

もうあと10分しかない。
歩いて25分はかかる。自転車は最近壊れて今は使えない。

「もういっか。」

私はノロノロと学校へ行った。