不意に後ろから声がした。この声は石田しかいない。
でも、しっかしいつも通りの格好だなぁ、ちょっとは可愛い服着てみればいいのに。
「つーか何でその話し方?涼と話してるように話せよ。」
「…っわかったよ!うるさいな。」
「で、石田も寝れねぇの?」
「うん。てか、なんで…」
「ん?」
「なんで、あの2人からうちのこと庇ったの?」
「ぶはっ!」
「うわっ!汚い!」
俺はびっくりして飲み物を吹き出した。
汚いって言われても…あれ見られてたのはちょっと、な//
「で、大丈夫?」
「あ、あぁ。」
「最近涼と仲いいんでしょ?」
「ん?まぁな。」
「なんで?」
「ん?」
「んで…なんで涼なのよ!」
……え?俺今怒られてる?何で!!?
「意味が分からないんだけど…」
「涼と中途半端に仲良くなんなって事よ!!!!」
「…涼と付き合ってんのか?」
「付き合ってない、けど?」
付き合ってねぇんだ。何でじゃあ放課後一緒に帰んだ?
―…今の俺にはそんなことを聞く勇気はなかった。
「そーなんだ。」
「そういう橋下君は?」
「あの現場見てたんだろ?付き合うわけねぇじゃん。」
「ははっ…そっか。」
うわっ…なんだこれ。なんかめっちゃドキドキしてんだけど…っておい…俺こういうキャラじゃねぇぞ?
―…この時の俺には琉生の痛々しい笑方にも、作り笑いをしていることもなにもわかってやれなかった。
