バタッと音を立てて
母は叩かれた反動で床に転んだ。

妹が泣きじゃくっている。
大丈夫、大丈夫。と
私は言い続けて妹の頭を撫でた。

その時、父の視線が私に向けられた。


「うるさいっ!!
泣くな!鬱陶しい!
千絵!黙らせろ!」


更に、妹が泣き叫んだ。
怒鳴り声で名前を呼ばれたため
ビクと体が跳ねるも
負けじと妹を抱き締める力を強め
父を睨んだ。



「なんだ?その目は?
俺に、喧嘩を売ってるのか?
ふざけるなよ?
調子に乗るなっ!!」



父が手を振りかざすと共に
母の声が響き渡った。
「駄目ーっ!!」