ついていった先は建物の間の細い道。



先程の道から死角になっていて見えないだろう場所。



それは、いきなりだった。



「俺と付き合ってくれませんか・・・?」



「っへ・・・?」




思わず、間抜けな声を出してしまう私。



何、これって告白───?


いやいやいや



え?



これは現実?

これはマンガとかでよくある夢オチパターンなのだろうか?


梶山くんが夢にまで出てくるなんて、そろそろ私の妄想も末期かもしれない。



そう思ったがやはりこれはどう考えても現実のようで。



「・・・ごめん。なんか、こんな急に、って感じだよな。今のは忘れて?」



なかなか返事をしない私に気を使ったのか、梶山くんは言う。



こんなチャンス二度とないかもしれない。



「ま、待って!


──私でよければ、付き合います!」





そうして私は、夢にまで見た理想通りの彼氏ができたのだった。