───か、かかか梶山くん!!!
まさかの梶山くんだった。
うわあああ、どうしよう!!!
梶山くんがまっすぐこっちに向かってくるよ!
このまま私に話しかけてきちゃったりする?
そうなったら私どうすれば・・・
話しかけられてもいないのに、そんなことを考える私。
多分、こういうところが若佐の言う、痛い妄想なのだろう。
梶山くんと目があう。
梶山くんがこっちを見てる!
あああああ、どうしよう!
頭はパニック状態。
それなのに。
「ちょっと、今時間ありますか?」
梶山くんが歩みを止めて言う。
これ、私に言ってるの・・・?
いやいや、まさか!
さすがの私もこれはありえないってわかるよ!
だって私と梶山くんは接点ないんだから。
でも、梶山くんの目線は完全に私を捉えている。
「わ、私ですか・・・?」
「うん」
夢ですか!これは夢なんですか!
夢なら覚めないでお願いだから!
「だ、大丈夫です、もちろん!」
そうして、私は歩き出した梶山くんについていった。
