そんな賭けをしたものの、ぶっちゃけ、あてはない。
でも自分からあんな賭けを出したんだから負けたくない。
「知亜ーー・・・どうしたらいいかなあ?」
私の問いに知亜は「自分で言ったんだから自分でなんとかしなよ」と、もっともな意見を言う。
あの時はその場のノリで言ったけど・・・
どうしよう、若佐の言うこと聞かなきゃいけないなんて・・・絶対嫌!
***
そんなこんなで放課後。
荷物を持って知亜のもとへ向かう。
「知亜、帰ろー」
「ごめん、今急に連絡が入って人手が足りないからバイト入ってほしいって頼まれちゃって。」
「わかった、じゃあバイト頑張ってね!」
そうして、今日は一人で帰ることに。
昇降口で靴を履き替えて校舎を出る。
前方を見ると帰っていく生徒達の中にこちらへ向かってくる一人の男子生徒がいた。
一人逆方向に来ているものだから、少し気になって見てしまう。
忘れ物でもしたのだろうか。
そう思いながら、私も歩く。
少しずつ近づいていくその男子生徒との距離。
なんだか見覚えがある気がする・・・
よく見るとそれは・・・
