もう、なんなの・・・!
「ちょっと誰よ!おでこ赤くなったじゃん!」
おでこを押さえながら顔を上げると立っていたのは・・・
若佐大翔。
短髪で日焼けした肌、いかにもスポーツ馬鹿丸出しで野球部所属。
「悪いな。」
しれっとそう言う若佐。
絶対悪いとか思っていないのが見え見えだ。
私はボサボサになった髪を整える。
現在高校2年の私。
そんな私と若佐は同じクラス2年目であり、同じ学級委員を務めている。
当たり前なのだが、なりたくてなったわけではない。
クラスメイトに押しつけられたのである。
それから、若佐はこうしてことあるごとに私に絡んでくるようになった。
「何の話してたんだ?」
「別に、あんたには関係ないでしょ」
その私と若佐の会話を聞いて、知亜はニヤリと意味ありげな笑いをしてから、「今ね、どうして結乃に彼氏が出来ないかについて話してたのよ」とバラしてしまう。
「ちょっと知亜!言わないでよ」
しかもよりによってこんな奴に。
