あたしは藤野を見て凍りついた。

「な、何?
俺変なこと言った?思ったこと言っただけなんだけど……」

あたしは黙ったまま藤野をまっすぐ見た。

藤野は何か喋っているが、あたしの耳には入ってこない。
あたしはだんだん藤野に惹かれていく……

「…橋…高橋!」

肩を掴まれ揺さぶられる
ハッと我にかえったあたしは藤野に言った。

『好き…』

えっ?
あたし今なんて……

「い、いきなりどうしたんだよ…」

何言ってるんだろう…
自分でもわからない。

『いや…あの、、その』

恥ずかしい…嫌……逃げたい…
藤野は掴んでいた肩を離し言った。

「俺も好きだよ?」

え?
何それ?好きだよって……

続けて藤野は口を開く

「高橋のことも、クラスの皆のことも好きだよ!
友達として!」

……友達として、か…

『あたしも友達として、藤野くんのこと好きです…

決して恋愛感情とかではなくて…』

藤野悠樹……
クラスの人気者。
そして、鈍感だ……

そんなクラスの光に惹かれた、陰のあたし。
これからどう過ごすことになるんだろうか……