あいつの事が好きなだけ


「高橋さん……だよね…?」

女子4人組があたしに話しかけた。

入学して2週間、だいぶクラスも馴染み始め、もっと仲を深めるため親睦会をやるから来ないか?の誘いを受けた。

ここでなぜ行きたいと言わなかったのか…
あの時あたしはゆっくり女子4人組の方を向き言い放った、

『行かない』

そう言ってすぐに本に視線を向けたんだっけ……


その4人組は、「何あれ、感じ悪~い」などと
ひそひそ言いながら席に戻って行ったのだった。


まぁ、そんな事があってからあたしは浮きまくり。
あの日以来、誰も話して来なくなった。

まぁもともと、人間が好きかどうかで問われると嫌いに分類する人間だから、こういうものに慣れていなくはない。
中学の時も同じような事があり、3年間誰とも話さなかったから慣れてると言えば慣れているのだ。

でもまぁ、大学に行くなんて事は考えてはていないから、学生生活なんて高校で最後になるかもしれない。
ならば、最後の3年間くらい楽しみたい。
こんな自分にだってこういう事くらいは考えたりもする。

高校生活をどう過ごすようになるか、人生には2回のチャンスが訪れる。
1回目はクラスの人との初めの会話。
2回目は……
なんと言っても席替えだろう。