side広夜


文化祭の準備が始まった頃、雛月は学校へ来なくなった。


普段はいい加減でも、根は真面目な奴だと思っていたから少し意外だ。


「雛月、今日も休みなのかよ?」


「あぁ、そうらしい」


ただでさえ大変な時期に副委員長の雛月がいないから風沢は忙しそうだ。


それでも雛月に対する文句はひとつも言わない。

全ての事情を知っているからこそなのか。