「まさか・・・な」


半信半疑でカーテンを少しだけ開けて見ると、インターホンの前にあいつがいた。




「風沢・・・」


「やっと出てきた。せっかくもってきてやったのに冷めちまうだろーが」



風沢はあたしの目の前に持っていた皿をつき出した。

受けとるとまだ温かかった。



「これ・・・」


「うちの母さん、今日ヒナが来るもんだと思ってたからさ。張り切って作ってたんだぜ?ヒナの好きなオムライス」



風沢は得意気に笑う。


「せっかくだから持ってきてやった。放っとくとどーせろくなモン食わないだろ」


見透かされてるな・・・。