「風沢あぁっ!!昨日はよくもっ・・・!」
教室から聞こえてきた怒鳴り声に思わず手が止まった。
今の声って・・・雛月?
「あ~あ、またやってる」
背後からため息まじりの声が聞こえた。
振り返ると昨日雛月と話してた奴がいた。
「あんた確か・・・」
「桐野 結衣。ヒナの友達です」
雛月とは違い、穏やかな印象の桐野。
「性格正反対っぽいのに気ぃ合うの?」
「夕凪君って言いたいことはっきり言うね」
そう言って苦笑する。
「でも、本当に友達なの。冷たく見えるかもしれないけど、ヒナは優しい子だから、あまり悪く言わないであげてね」
友達・・・ね。
残念だけどそんなのその場限りだよ。
所詮、上辺だけの存在。
少し状況が変わればあっさり崩れてしまう、脆い関係。