飛び方を覚えて間もない雛鳥が一羽、 風にあおられ 地面に落ちた。 翼を痛めた雛鳥は 羽ばたくことを諦めた。 青い空を見上げ、 いつか自由に飛び回ることを 夢見たことさえ忘れて。 傷は治っている。 だけど、飛べない。 何度も何度も、風が誘う。 もう一度飛んでみよう、 勇気を出して、と。 その声は雛鳥には届かない。 あたしは、意気地なしの雛鳥。 再び傷付くことを恐れて前に進めない 弱虫な雛鳥。