恋の罠

「ありがとうございます」


もう1回、頭を下げる。
その男の子は、笑顔だった。


「全然♪ ケガない?」

「ないです♪」

「よかった。ところで、同じ制服だよね? 何年?」

「高1です! 今から入学式で…」

「まじ? 俺も!」


高1なんだ…。
大人っぽすぎて見えないよ。
あたしなんて、超―!ガキだし!


「そうなんですか? 同じクラスだといいですね♪」


知ってる人が一緒のクラスだと、不安じゃないしね♪


「だったらさ~! 一緒に高校まで行かね?」


男の子からの提案。

あたしの答えは決まってる♪


「すみません♪ 1人で行ってみたいので無理で~す!」


入学式くらい、1人で行きたい!
新しい私の道を、1人で体験してみたいから♪