恋の罠

でも俺がこれだけして、何もないっつーのはムカツク。


「じゃぁさ、名前教えて?」

「狩谷鈴って言います♪ すずって書いてりん!」


へぇ、鈴 ね。
狩谷鈴。
インプット完了♪


「俺の名前は、天宮海。うみって書いてかい」

「天宮…君?」


上目遣いで俺を見る鈴。
俺はこんなのには引っかからねぇ。
こんなの、腐るほど見てきたしな。


「海でいいよ! 呼び捨てね♪」

「じゃぁ…海! 私のことも、鈴でいいよ♪」


やっぱり来たな。
初対面から呼び捨てにさせて、親近感を持たせる。
小悪魔系の女がすることだ。


「じゃぁ鈴、また会おうね☆」

「うん♪ またね海」


そう言って、俺達は別れた。