忍の父親は心労が祟り、翌年、心筋梗塞で他界してしまった。 祖母の静子は、このような複雑で悲惨な境遇の孫を憐れみ不憫に思ったのと、自分が子育てに失敗したせいか良静にはとにかく甘かった。 欲しがる物は何でも買い与えたし、まさに猫可愛がりであった。