入学式が終わり、登校日初日、その日の一時間目はオリエンテーションだった。
初日から既に空席が一つあり欠席なのかと担任も生徒も思った所、「あー眠い」とあくびをしながらダルそうに入ってくる生徒がいた。

担任は眉間にシワを寄せて「村田だな。とりあえずそこに座りなさい」と空いている席を指した。「ああ、ここ?なんで廊下側なんだよ!」と低い声でブツブツ文句を言いながら席に付いた。

周囲はそんな村田を見て唖然とした。
「なんなんだ!?コイツは?」
教室中の誰もが心の中でそう思っていた。

向手瑞紀は初日から遅刻してきた上に悪態をついている村田を見ながら溜め息をついた。
「こんな奴と同じクラスとは…先がおもいやられるな」心の中でそう呟いた。