シュガーレス



まぁ今はさすがに本屋の中で、走り回る訳にはいかないから、イメトレだけ。


雑誌に載っている選手のシュートのフォームを、食い入るように見つめる。



「…なーんか、暗いっ!」


不意に後ろから、聞き慣れた声が聞こえた。


振り向かなくても、わかる。


「遅刻しといて、その態度かよ!」


後ろに向かって声をかけるも、まだ本に目を向けたままだ。


「え、待ち合わせしてないじゃん」


…確かに。


「俺が待ったんだから、遅刻だろ。」


とは言いつつ、雑誌を閉じた。


後ろを振り向くと、美里が不服そうな顔をしている。