俺がそんな事を思っているとも知らず、美里がわざと大人ぶった口調で話す。
「大丈夫。
ちょっとした価値観の違いからくる、ささやかな諍いですよね☆」
ね?と、美里が同意を求めると、もう1人の腐れ縁・坂本結衣が冷静な口調で続けた。
「美里の恋の相談。
三河ものったげて。」
こら、人を顎で指示するな。
とは言え、こいつに顎で使われたい男がこのクラスだけでも山程いるのが現状だ。
今もチラチラと、こっちに向けられている視線の大半が、坂本に注がれていた。
ま、本人は眼中に無いみたいだけど。
勘違いされて、妬みの視線を向けられる俺の気持ちも考えてほしい。
そんな事をボンヤリと思ってると、
「えぇー!?
みっちゃんじゃ、参考にならな…」
美里が声を上げ、何か失礼な言葉を続けようとしていた。
「は?」
無意識に目に力が入る。
そんな俺を見て、語尾を弱める美里。
「いえ…なにも」
ったく、口は達者になったが、こうゆうビビりなとこは、ガキの頃から変わんねーんだから。

