シュガーレス



いつもの教室。


すっかり見慣れたクラスメイト達からの挨拶に何となく応えながら席に向かうと、


「…じゃなくて、良かったよ」


どうやらよく知った顔が、口ゲンカをしている様だった。


とは言っても、子犬が戯れて互いに噛み付いてる程度だ。


「何が良かったんだ?」


とりあえず挨拶代わりに声をかけた。


腐れ縁の片割れ・藍川美里が、振り向く。


「みっちゃん!」


昔から背が低いコイツは、俺を見上げながら声を上げた。


「何か…険悪だけど大丈夫か?」


コイツらのケンカに、いちいち真面目に首を突っ込むもんじゃない。


2人の言い分を聞くだけ聞くと、いつの間にか仲直りしているから。


心配するだけ無駄だ。


ま、どうせ食べ物の事だろ。


どっちが美味いか、とか

今日は何を買い食いするか、とか?


さて、今日は何だ?


購買の幻メロンパン?


それとも駅前のクレープ?