「…社長、そろそろ。」
後ろにいたスーツの人が切り出すと、澄佳さんが頷いた。
「それじゃあ、ゆっくりしてらしてね。」
「あ、はい!」
澄佳さんがリビングを出て行くと、頭上にわずかに足音が響いた。
どうやら、二階に上がっていったようだ。
奥様に社長…
澄佳さんって一体…?
「…“Kism”って知ってる?」
「は?」
「知らん?
たまにCMしてて、最近は雑誌にも広告出してるねんけど。」
「いやいや、知ってるけど!」
“Kism”っていえば、大手のエステ会社じゃん。
今のCMソングとして使われている、有名アーティストの新曲も今ヒット中だから、知名度も急上昇してるみたい。
「そこの社長。」
…は!?

