シュガーレス





やだ…


「なぁー、」


見ないでっ!



「何してんのって、聞いてんねんけど?」


にっこり笑顔で尋ねると、さっきまで威勢の良かった彼女たちはシュンと俯いてしまって、まるっきり沈黙状態だ。



「とお…っ、小泉君!
とりあえず出よっ!
ここ、女子トイレだし」


沈黙に堪えきれず、外を指差し透を誘導する。


「そんなん気にしてる場合ちゃうやろっ…!」


少し悲しげに、私を叱る。


彼のこの表情も、


この言葉も、


全てが偽りだなんて、信じたくないよ。


「…小泉君っ!」


私が何も言えずにいると、なぎさちゃんが声を上げた。


「元はと言えば、小泉君のせいでしょ!?

…この人達、小泉君のファンなんだから。」


「俺のせい…?」


違う…



「そう!
小泉君の曖昧な態度が、結果として、こうやって美里ちゃんを傷つけてるの!」


違うよ…


「もう、美里ちゃんに関わらないで。」


それでも私は…



「…わかった。」


その透の答えが聞こえると、目の中の涙の量が増えて、ぼやけがひどくなった。



やだよ…


平気だから…


お願い。


離れるなんて、言わないで。





「俺ら、付き合うわ。」